轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

「それだ、その鉄叫子の楽和ですわ。もうクヨクヨしなさんな。わしがここにいる!」

天は兄弟を捨てず、だ。悪庄屋の方に毛家の女婿がいたのは運の尽きであったようだが、ここには解兄弟の遠縁のひとりが牢番としていたのである。

楽和はもと茅州の生れで、生れつき悧発で器用なたち、わけて耳の官能がすぐれていた。ひとたび聞いた唄はすぐ覚え、しかも節まわしが巧みで、すこぶる美音だった。

鉄叫子というアダ名は、すなわち、それに由来する。

登州城の東門外、十里牌とよぶ地に、盛っている飲屋があった。ここの帳場にいつも見えるおかみが、

※大虫の顧

という気ッぷしのいい年増女で、ただたんに、「おばさん。おばさん」で通っている。しかしこのおばさんはただ女ではない。奥でのべつ開かれている常賭場の連中も一目おいているし、店の者はもちろん、客の呑ン兵衛も※大虫の臼みたいなお尻がでんと帳場にござる日はゴネもきかないし踏み仆しもできなかった。

「ごめんよ。こちらは孫さんのお店で?」

「はい、はい。いらっしゃいまし。孫はわたしの亭主ですよ。飲屋の看板は、おかみのわたしだと思ってたら、変ったお客さまですわね。