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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
三番目に見栄えのしない小躯のお作が、ひょッこりと降りると、その後から、叔父の連合いだという四十ばかりの女が、黒い吾妻コートを着て、「ハイ、御苦労さま。」と軽い東京弁で、若い衆に声かけながら降りた。兄貴は黒い鍔広の中折帽を冠って、殿をしていた。
和泉屋は小野と二人で、一同を席へ就かせた。
気爽らしい叔母はちょッと垢脱けのした女であった。眉の薄い目尻の下った、ボチャボチャした色白の顔で、愛嬌のある口元から金歯の光が洩れていた。
「ハイ、これは初めまして……私はこれの叔父の家内でございまして、実はこれのお袋があいにく二、三日加減が悪いとか申しまして、それで今日は私が出ましたようなわけで、どうかまあ何分よろしく……。このたびはまた不束な者を差し上げまして……。」とだらだらと叔母が口誼を述べると、続いて兄もキュウクツ張った調子で挨拶を済ました。
後はしばらく森として、蒼い莨の煙が、人々の目の前を漂うた。正面の右に坐った新吉は、テラテラした頭に血の気の美しい顔、目のうちにも優しい潤みをもって、腕組みしたまま、堅くなっていた。お作は薄化粧した顔をボッと紅くして、うつむいていた。