輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
四十一
笹村が持ち込んで来た行李に腰かけて、落着きのない家を見廻していると、岡田の細君は、背で泣く子を揺りながら縁側をぶらぶらしていた。お銀はせッせとそこらを雑巾がけしていたが、時々思い出したように、「バア。」と子供の方へ顔を持って行っては、しゃがんで張って来る乳房を見せた。障子の取りはずされた縁側から吹き込む風が、まだ肌に寒いくらいであった。
四十一
笹村の出て行った下宿は、お銀たちのいるところからは、坂を一つ登った高台にあった。見晴しのいいバルコニーなどがあって、三階の方の部屋は軟か物などを着ている女中の所管と決まっていた。暑中休暇の来るまで笹村は落着き悪い二階の四畳半に閉じ籠っていたが、去年の夏いた牛込の宿よりは居心がよかった。
気が塞って来ると、笹村はぶらぶら家の方へ行って見た。家には近所の菎蒻閻魔の縁日から買って来た忍が檐に釣られ、子供の悦ぶ金魚鉢などがおかれてあった。お銀は障子を伝い歩行している子供の様子に目を配りながら、晩に笹村の食べるようなものを考えなどしていたが、笹村は余所の家へでも来たように、柱に倚りかかって莨を喫していた。笹村は下宿にいる人たちなどと、自分との距離の大分遠くなっていることを、しみじみ感じずにはいられなかった。