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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
七十一
「花の時分は随分忙がしござんしたよ。小金井ももう駄目でしょうよ。」と、女中は茶を汲みながら、お庄の顔をじろじろ見た。
「姐さんはどこ……。」などと、従姉は珍しそうに女中の相手になって、離房の普請を賞めなどした。
「私もこれからちょいちょい寄せてもらいましょう。こんなところで一日も遊ばしてもらえると、どんなに気が晴れ晴れするか知れやしない。」
「ええ、東京から皆さん随分いらッしゃいますよ。」
媒介人や浅山の起き出した時分に、また迎え酒が始まった。昨夜店の方に構え込んでいて、あまり座敷へ顔出しをしなかった親父も、そこへ来て一緒に飲んだ。お庄は従姉と一緒に、離房の方の二階座敷へ上って見たり、庭を逍遥いたりした。
芳太郎のことが、従姉の口からいろいろ訊ねられた。
「この家で衆に思わるれば、お庄さんも幸福だよ。婿さんは若くて幼だし、物はあるしさ。」と、従姉は手擦りに凭れていながらうらやましそうに言った。
お庄は男の無作法さが腹立たしかった。「あまりそうでなさそうなの。家も随分ごたごたしているようですよ。」お庄は赧らんだ顔に淋しく笑った。
七十一
躑躅の時分に一度ここへ寄って、半日ばかり遊んで行った外神田の洋服屋だとかいう男が、どこかの帰りに友達を一人連れて来て、新建ちの方の座敷で、女中を相手に無駄口を利きながら酒を飲んでい