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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

五

小野の干渉は、彼にとっては、あまり心持よくなかった。と言って、この男がなくては、この場合、彼はほとんど手が出なかった。グズグズ言いながら、きっぱり反抗することも出来なかった。

三時過ぎになると、彼は床屋に行って、それから湯に入った。帰って来ると、家はもう明りが点いていた。

新吉は、「アア。」と言って、長火鉢の前に坐った。小野は自分の花嫁でも来るような晴れ晴れしい顔をして、「どうだ新さん待ち遠しいだろう。茶でも淹れようか。」

「莫迦言いたまえ。」新吉は淋しい笑い方をした。

五

するうち綺麗に磨き立てられた台ランプが二台、狭苦しい座敷に点され、火鉢や座蒲団もきちんとならべられた。小さい島台や、銚子、盃なども、いつの間にか、浅い床に据えられた。台所から、料理が持ち込まれると、耳の遠い婆さんが、やがて一々叮寧に拭いた膳の上に並べて、それから見事な蝦や蛤を盛った、竹の色の青々した引物の籠をも、ズラリと茶の室へならべた。小野は新聞紙を引き裂いては、埃の被らぬように、御馳走の上に被せて行いていた。新吉は気がそわそわして来た。切立ての銘撰の小袖を着込んで、目眩しいような目容で、あっちへ行って立ったり、こっちへ来て坐ったりしていた。