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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

九

飯が済むと、新吉は急に気忙しそうな様子で、二、三服莨を吸っていたが、やがて台所口で飯を食っている傭い婆さんに大声で口を利き出した。

「婆さん、この間から話しておいたようなわけなんだから、私のところはもういいよ。婆さんの都合で、暇を取るのはいつでもかまわねえから……。」

婆さんは味噌汁の椀を下に置くと、「ハイハイ。」と二度ばかり頷いた。

「でも今日はまあ、何や彼や後片づけもございますし、あなたもおいでになった早々から水弄りも何でしょうからね……。」とお作に笑顔を向けた。

「己ンとこアそんなこと言ってる身分じゃねえ。今日からでも働いてもらわなけれアなんねえ。」と新吉は愛想もなく言った。

「ハアどうぞ!」とお作は低声で言った。

「オイ増蔵、何をぼんやり見ているんだ。サッサと飯を食っちまいねえ。」と新吉はプイと起った。

九

午前のうち、新吉は二、三度外へ出てはせかせかと帰って来た。小僧と同じように塩や、木端を得意先へ配って歩いた。岡持を肩へかけて、少しばかりの醤油や酒をも持ち廻った。店が空きそうになると、「ちょッしようがないな。」と舌打ちして奥を見込み、「オイ、店が空くから出ていてくんな。