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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

二十三

才は働くし、弁口もあるし、附いていれば、まさかのめって死ぬようなこともあるまいけれど、何だか不安でならなかった。着物も着せてくれるし、芝居も見せてくれるが、それはその場きりで、前途の見越しがつかぬから、それだけで満足の出来よう道理がない……とお国はシンミリした調子で、柄にないジミな話をし始めた。

「私真実にそう思うわ。明けるともう二十五になるんだから、これを汐に綺麗に別れてしまおうかと……。」

新吉は黙っていた。聞いているうちに、何だか女というものの心持が、いくらか胸に染みるようにも思われた。

二十三

正月になってから、新吉は一度お作を田舎に訪ねた。

町が寂れているので、ここは春らしい感じもしなかった。通り路は、どこを見ても、皆窓の戸を鎖して寝ているかと思う宅ばかりで、北風に白く晒された路のそこここに、凍てついたような子守や子供の影が、ちらほら見えた。低い軒がどれもこれもよろけているようである。呉服屋の店には、色の褪めたような寄片が看るから手薄に並べてある。埃深い唐物屋や古着屋の店なども、年々衰えてゆく町の哀れさを思わせている。ふといつか飛び込んだことのある小料理屋が目に入った。