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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
「叔母さん、いまじきですよ。」
お庄は叔父を見に行く風をして蒸れるような病室を出て行った。そして廊下の突当りにある医員の控え室に入った。
控え室は十畳ばかり敷ける日本室であった。糺の知合いの医員を、お庄も湯島時代から知っていた。そして一緒に茶を呑んだり、菓子を摘んだりした。この部屋へよく遊びに来る、軽い脚気患者の、向うの写真屋のハイカラ娘とも、ちょくちょく口を利くようになった。お庄は叔父のいいつけで、この連中へ時々すしや蕎麦のようなものを贈った。叔母が別品だと言った助手が、西洋料理などを取り寄せて食べているのを見て、お庄は時々口に手を当てて思い出し笑いをした。
「ああ、何て暑い晩でしょう。」お庄はその入口に膝を崩して、ベッタリ坐った。
「暑けアこの上の物干しへでもお上んなさい。」そこにワイシャツ一つになって臥そべっていた知合いの医員は、傍から揶揄うように言った。
糺の兄弟の噂が二人の間に始まった。糺に近ごろ女が出来たということも男がお庄に話して聞かした。
「そうですかね、私ちっとも知りません。」お庄は顔を赧らめて、子猫のような低い鼻頭を気にして時々指で触った。