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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
五十八
叔父はまだ奥座敷に寝ていた。昨夜二人でおそくまで起きていたらしいお照も、まだ目が覚めなかった。
叔父は院長からはっきりした診断を下されるのを怖れて、行くのを渋くった。
「やっぱり肺だということだぞえ。」と、昼ごろに叔父をつれて帰って来た伯母は、蔭で母親に告げた。
治療に望みのないことが、診察をおわった叔父が帯を締めている背後から、大きい手と首を振って見せた院長の様子でも知れていた。
五十八
「叔父さんが帰って来たら、僕からよく話をする。」二階の部屋を借りて、ここから一ツ橋の商業学校へ通っている磯野という群馬県産れの書生が、薬師の縁日に手を引き合って通りを歩いているときお庄に話しかけた。磯野は糺の友人の知合いで、糺とも知っていた。そんな関係からここの二階を借りることになった。家は肥料問屋で磯野はその時分からいろいろの遊び友達を持っていた。酒も飲んだり唄も謳った。叔父とも碁を打ったり、花を引いたりした。深川へ荷がつくと、母親が托けてよこした着物や、麦粉菓子のようなものが届いて、着物のなかから可愛い末の子に心づけてくれた小遣い銭などが出て来たが、家をやっている兄の方にはあまり信用がなかった。