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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

磯野は一、二の官立学校の試験を、いつも失敗して、今通っている学校は、学課の程度が低く、卒業生の成績や気受けも香しい方ではなかった。磯野はそこへ学籍を置きながら、月々の学費を取り寄せていた。

叔父は四月の末ごろから海辺へ行っていた。前の会社の用事でもと行きつけた浦賀から、三浦三崎の方へ廻って、そこで病を養っていた。田舎から取って来た金も、会社の跡始末に消えてしまって、この家へ引き移って来た時も、かけてあった取り残しの無尽を安く競って落したくらいであったので、病気になってからも思うような保養も出来なかった。母親の内職に出さした素人下宿も間数が少く、まだ整ってもいなかった。

「生身の体はいつどんなことがあるか知れないで、それで私が言わないことじゃなかった。いい加減に締っておくだったい。」と、母親は弟に怨みを言った。

叔父は立つ間際まで、お照を傍から離さなかった。寝衣に重ねた白地の単衣がじっとり偸汗に黄ばんで蒲団をまくると熱くさい息がむれているくらいであったが、痩せ我慢の強いお照は平気で叔父のところへ寄って行った。一緒に食べ物に箸を突っ込んだり、一つ湯呑で茶を呑んだりした。