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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
六十一
叔父の知合いで、本家と同じ村から出た男に勧められて、石川島の廃れ株をうんと背負い込んだ従兄は、そのころ悩まされていた神経痛の療治かたがた株の配当を受け取りに出て来ていたが、そんな株に何の値打ちもないことが知れて来ると、急に落胆して毎日の病院通いも張合いが脱け、背や腕にぴったり板を結び着けられた自由の利かぬ体を、二階の空間に蒲団を被って寝てばかりいた。
株をすすめられた時、のぼせがちの従兄が親類の誰某と仲違いまでして、二度も三度も田地を抵当に入れて、銀行から金を借りた事情を、母親も伝え聞いて知っていた。これまでに村の大火の火元をしたり、多勢の妹を片着けたりして、ようやく左前になりかけていた身上を、従兄は盛り返そうとして気を燥った。お庄母子兄弟のことも始終気にかけていた。
峠を一つ越して十里ばかりかけ離れた親類の家に、ちょうどお庄の片着くような家が一軒あった。従兄はその家のことを話して母子の心持を確かめようとした。
そこには家着きの娘に養子が貰ってあったが、この春その娘が死んだということや、病気は肺病だという評判もあったが、実際はそんな悪い病気でもなかったらしいということや、昔からの親類関係、人柄財産の高なども、従兄は詳しく話して聞かした。