輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

十二

K―は、ほかの三軒が容易に塞がらないので、帰省して出て来ると、自分で尽頭の一軒を占めることにした。その日もお銀に冬物を行李から出させて、日に干させなどしていた。そして母親が、その世話をすることになっていた。

片耳遠いK―は、立ったまま首を傾げて二人の顔を見比べていた。

十二

K―は、郷里では名門の子息で、稚い時分、笹村も学校帰りに、その広い邸へ遊びに行ったことなどが、朧げに記憶に残っていた。その後久しくかけ離れていたが、ある夏熊本の高等中学から、郷里の高等中学へ戻って来たK―のでくでくした、貴公子風の姿を、学校の廊下に認めてから間もなく、笹村は学校を罷めてしまった。偶然にここで一つ鍋の飯を食うことになっても、双方話が合うというほどではなかった。

笹村は友人思いの京都のT―から、自分ら二人のその後の動静を探るようにK―へ言ってよこしたので、それでK―が貸家監理かたがたここへ来ることになった……とそうも考えたが、K―自身は、そのことについて一言も言い出さなかった。

「どうだい、男の機嫌をとるのはなかなか骨が折れるだろう。」K―は、二人の中へ割り込むように火鉢の傍へ来て坐り込んだ。