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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
かんかん日の当っていた後の家の亜鉛屋根に、蔭が出来て、今まで昼寝をしていた近所が、にわかに目覚める気勢がした。
お増は浅井の身のうえなどを話しだしたが、お雪は身にしみて聞いてもいなかった。
「へえ、あの人お神さんがあるの。でもいいやね。そんな人の方が、伎倆があるんだよ。」
「いくら伎倆があっても、私気の多い人は厭だね。車挽きでもいいから、やっぱり独りの人がいいとつくづくそう思ったわ。」
青柳が不意に目をさました。
「よく寝る人だこと。」
お雪はその方を見ながら、惘れたように笑った。青柳は太いしなやかな手で、胸や腋のあたりを撫で廻しながら、起き上った。そして不思議そうに、じろじろとお増の顔を眺めた。
「どうもしばらく。」お増はあらたまった挨拶をした。
青柳はきまりの悪そうな顔をして、お叩頭をした。
「ごらんの通りの廃屋で、……私もすっかり零落れてしまいましたよ。」
「でも結構なお商売ですよ。」
「は、この方はね、好きの道だものですから、まあぽつぽつやっているんですよ。そのうちまた此奴の体を売るようなことになりゃしないかと思っていますがね。」
「もう駄目ですよ。」お雪は笑った。