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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
生来体が弱いから、お産が重くでもあったら、さぞ応えるであろうと思って、朝晩に気をつけて大事にしていること、牛乳を一合ずつ飲まして、血の補いをつけておることなども話した。産れる子の初着などを、お作に持って来さして、お産の経験などをくどくどと話した。
新吉は「ハ、ハ。」と空返辞ばかりしていたが、その時はもう酒が大分廻って来た。
「お店の方も、追い追い御繁昌で、誠に結構でござります。」母親は話を変えた。
「お蔭でまアどうかこうか……。」と新吉は大概肴を荒してしまって、今度は莨を喫い出した。そうして気忙しそうに時計を引き出して、「もう四時だ。」
「マア、あなたようござりましょう。春初めだからもっと御ゆっくりなすって……そのうちには兄も帰ってまいります。」と母親は銚子を替えに立った。
二人とも黙ってうつむいてしまった。障子の日が、もう蔭ってしまって、部屋には夕気づいたような幽暗い影が漂うていた。風も静まったと見えて、外はひっそとしていた。
「今日は、真実にいいんでしょう。」お作はおずおず言い出した。
「商人が家を明けてどうするもんか。」と新吉は冷たい酒をグッと一ト口に飲んだ。