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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

」と溜息を吐いた。「もうどっちでもいいから、早く決まってくれればいい。裁判が決まらないうちは、どうすることも出来やしない。ね、新さん、どうしたんでしょうね。」

新吉は寝た振りをして聴いていたが、この時ちょっと身動きをした。

「解んねえ。けど、まア入るものと決めておいて、自分の体の振り方をつけた方がよかないかね。私あそう思うがね。」と声が半分蒲団に籠っていた。「そうして出て来るのを待つんですね。」

「ですけど、私だって、そう気長に構えてもいられませんからね。」と寝衣姿のまま自分の枕頭に蹲跪って、煙管をポンポン敲いた。「あの人の体だって、出て来てからどうなるか解りゃしない。」

新吉はもう黙っていた。

翌日目を覚まして見ると、お国はまだ寝ていた。戸を開けて、顔を洗っているうちに、ようやく起きて出た。

朝飯が済んでしまうと、お国は金盥に湯を取って、顔や手を洗い、お作の鏡台を取り出して来て、お扮飾をしはじめた。それが済むと、余所行きに着替えて、スッと店頭へ出て来た。

「私ちょいと出かけますから……。」と帳場の前に膝を突いて、どこへ行くとも言わず出てしまった。

新吉はどこか気がかりのように思ったが、黙って出してやった。