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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

お雪はすぐにそれと呑み込めた。

「お柳さんの兄さんという人が、田舎から出て来たもんだから、急に話をつけることになったの。」

「へえ、その兄さんが来たの。」

「いいえ、間へ入る人――弁護士よ。」

「うまく行きそう。」

「ううん、どうだか。」

お増は煙管を取りあげて、莨をふかしながら、考え深い目色をしていた。

「これは、とても承知しませんよ。」お増は小指を出してみせた。「だけど、兄さんという人が、田舎で役人をしていて、欲張りなんですって。それがお金次第で、どうでもなりそうなんだと。」

お増は不安そうに呟いた。

「それに、宅じゃ随分綺麗な話をしているんだもの。先の身の立つように。」

お増は落ち着いて、そこに坐っていなかった。

「あのお嬢さんどうしたの。」

立ちがけにお増が聞いた。

「駄目よ、とうとう物にならずじまいだと。」お雪は苦笑した。

「誰が、あんなお爺さんに引っかかるものか。それに、来てみて、家の汚いのに惘れたでしょうよ。」

二十六

やがて銚子を持って、二階へ上って行ったお増は、いろいろの打合せをしている浅井と小林弁護士との側に、お酌などをしながら、二、三十分も坐って話を聴いていると、すぐにまた下へ降りて来た。