輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

三十

「それにあなたは、お国さんのことと言うと、家のことはうっちゃっても……。」と口の中でブツブツ言った。

これが新吉の耳には際立って鋭く響く。むろんお国は今でも宅へ入り浸っている。一度二度喧嘩して逐い出したこともあるが、初めの時はこっちが宥めて連れて帰り、二度目の時は、女の方から黙って帰って来た。連れて来たその晩には、京橋で一緒に天麩羅屋へ入って、飯を食って、電車で帰った。表町の角まで来ると、自分は一町ほど先へ歩いて、明るい自分の店へ別々に入った。何の意味もなかったが、ただそうしなければ気が済まぬように思った。それからのお国は、以前よりは素直であった。自分も初めて女というものの、暖かいある物につつまれているように感じた。

三十

それから二、三日は、また仲をよく暮らすのであるが、後からじきに些細な葛藤が起きる。それでお国が出てゆくと、新吉は妙にその行く先などが気に引っかかって、一日腹立たしいような、胸苦しいような思いでいなければならぬのが、いかにも苦しかった。

「莫迦を言っちゃいけねえ。」新吉はわざと笑いつけた。「お国と己とが、どうかしてるとでも思ってるんだろう。