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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

」

いつもよく出るお今のことが基で、それからそれへと、喧嘩の言が募って行った。時々花などに託けて耽っている、赤坂の女のことなども、お前の口から言い出された。

「私がいくら骨おって始末したって、とても駄目ですよ。内は内でお今ちゃんなぞがいて贅沢を言うし、外は外で絞られるところがあるんだもの、私一人で焦燥したってしようがありゃしない。」

お増の調子がやや高くはずんで来た。

「莫迦いえ。誰のお蔭で、お前は着物なぞ満足に着られるとおもう。外で遊ぼうが何しようが、お前に不足いわれるような、無責任なことはしていないぞ。」

気優しい浅井にしては、珍しいような言が口から出た。

お今はことりとも音のしない、台所でそれを聞いていた。

四十七

翌朝になると、お増は毎朝お今のすることに決まっている浅井のお膳拵えなどを、自分の手に一つに引き取って、さも自信のありそうな様子で、こまこまと立ち働くのであった。漬物の切り方や、盛り方などにも、自分の方が、長いあいだ気心を知っている浅井の気分に、しっくり適うところがあるように思えた。

「お早うございます。」

お増はお今の前を、わざと生真面目な顔をして、あらたまったような挨拶を、良人にして見せた。