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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
」と失望しているようにも見える。
三、四十分、顔を突き合わしていたが、別にどうという話も纏まらない。いずれその内にはお国が帰るだろうからとか、新さんだってまさか、あの人をどうしようという気でもあるまいから、しばらく辛抱おしなさいとか、そのくらいであった。
お作は嫂の口から、そのことをよく新吉に話してくれということを頼んだ。
「姉さんから、宅の人の料簡を訊いて見て下さいよ。」と言った。
「それはお作さんから訊く方がいいわ。私がそれを訊くと、何だか物に角が立って、かえって拙かないかね。」
「そうね。」とお作は困ったような顔をする。
台所から出て来た時、お国は店にいた。新吉も店にいた。お作と嫂の茶の室へ入って来る気勢がすると一緒に、お国も茶の室へ入って来た。それを機に、嫂が、「どうもお邪魔を致しました……。」と暇を告げる。
「オヤ、もうお帰り。マアいいじゃありませんか。」お国は空々しいような言い方をした。
嫂を送り出して、奥へ入って来ると、まだ灯の点かぬ部屋には夕方の色が漂うていた。お作は台所の入口の柱に凭りかかって、何を思うともなく、物思いに沈んでいた。裏手の貧乏長屋で、力のない赤子の啼き声が聞えて、乳が乏しくて、脾弛いような嗄れた声である。