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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

二

二

一行が広い上野のプラットホームを、押し流されるように出て行ったのは、ある蒸し暑い日の夕方であった。

父親は鞄に二本からげた傘を通して、それを垂下げ、ぞろぞろ附いて来る子供を引っ張ってベンチのところへ連れて行くと、母親も泣き立てる背中の子を揺り揺り襁褓の入った包みを持って、めまぐるしい群集のなかを目の色を変えて急いで行った。停車場では蒼白い瓦斯燈の下に、夏帽やネルを着た人の姿がちらほら見受けられた。

そこで一休みしてから、「私はまア後で行くで、お前たちは人力車で一足先へ行っとれ。」と言って、よく東京を知っている父親は物馴れたような調子で、構外へ出て人力車を三台誂えた。行く先は母親の側の縁続きであった。父親は妻や子供をぞろぞろ引っ張って、そこへ入って行くのを好まなかった。

「それじゃ私は先へ行っておりますで、明朝はどうでも来て下さるだろうね。」母親は行李を一つ股の下へ挿んで、車夫が梶棒を持ち上げたときに、咽喉の塞がりそうな声を出して言うと、父親は頷いて傘に包みを一つ下げながら、帽子を傾げて停車場前の広場へ出て行った。

お庄は尻から二番目の妹と、一つの車に乗せられた。