輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

十五

」

叔母はそんな人の例を一つ二つ挙げた。帰朝してから横浜で女学校の教師に出世した女や、溜めて来た金を持って田舎へ引っ込んで、いい養子を貰った女などがそれであった。母親はそういう気にもなれなかった。叔母が亭主と一緒に洋食を食ったり、洋酒を飲んだりするのすら、見ていて不思議のようであった。

「まア、もう少し大きくでもなりますれアまた……。」と、重い口を利いた。

「義兄さんも思いきって、正ちゃんをくれるといいんだがね。」叔母は色白の、体つきのすンなりした正雄に目を注いだ。

母親はこの子は手放したくなかった。

「何なら定吉の方を貰っておもらい申したいっていうこンだで……。」と、母親は、赧らんだような顔をしながら、莨を吸い着けて義妹に渡した。

お庄は傍に坐って、二人の談に注意ぶかい耳を傾けていた。

十五

お庄は母親と、また湯島の下宿に寄食っていた。正雄は、横浜から来るとじきに築地の方にいる母方の叔父の家に引き取られるし、妹は田舎で開業した菊太郎の方へ連れられて行った。次の弟は横浜の薬種屋の方に残して来た。

「男の子一人だけは、どうにかものにしなくちゃア。」と、叔父は、姉婿が壊れた家を支えかねて、金を拵えにと言って、田舎へ逃げ出してから、下宿の方へ来てその姉に話した。