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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
」と母親は叔父の言ったことをお庄に話した。
「どっちにしても、叔父さんが今に資本を卸して、店を出さしてやるというこんだから、何が正雄の得手だか、それが決まると口を見つけて、すぐそっちへ行くことになっているだけれどね……。」
「正ちゃんは何がいいていうんです。」
「それが自分にも解らないそうで……。」母親は茶の湯気で逆上目を冷やしていた。
叔母が起きて来て、三人で飯を済ましてもまだ叔父は帰って来なかった。叔母は出勤の時間を気にしながら、始終表の方へ耳を引き立てていた。顔に淡く白粉などを塗って、髪も綺麗に撫でつけ、神棚に榊をあげたり、座敷の薄端の花活に花を活けかえなどした。お庄はそんな手伝いをしながら、昼ごろまでずるずるにいた。
叔父は三時ごろにやっと帰って来た。叔母は待ち憊れて安火に入って好きな講釈本を読んでいたし、お庄は帰ろう帰ろうと思いながら、もう外へ出るのが億劫になって、暖かい日のあたる縁側で、雲脂の多い母親の髪を釈いて梳いてやっていた。
叔父はどこか酒の気もあるようであった。細い首に襟捲きを捲いて、角帯の下から重い金時計を垂下げ、何事もなさそうな顔をして入って来た。