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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
五十一
五十一
「……後をお貰いなさればと言っても、私はまたちょくちょく寄せておもらい申しますわね。」と、姑が皆に暇乞いして帰ってしまってからは、叔父の家も急に寂しくなった。弟夫婦は、葬式がすむと、じきに立って行った。
それまでに、姑は片見分けに自分の持って帰るようなものを、母親と一緒に、すっかり箪笥のなかから択り分けた。中には叔母が田舎にいた時分から離さなかった頭髪のものなどもあった。姑は自分がそれを拵えてやたころのことを言い出して、三十やそこいらで死んでしまった娘の不幸をまた零しはじめた。
そんな物を択り分けるに、二人は毎日毎日暇を潰した。出して見てはしまったり、やって見てはまた惜しくなったりした。
「欲しいと言うものは何でも持って行かした方がいい。姉さまやお庄には、どうせまた拵えるで……。」と、叔父は蔭で母親をたしなめた。
姑はお庄に案内してもらって、久しぶりで浅草や増上寺を見てあるいた。芝居や寄席へも入った。姑はそのたんびに、何かしら死んだ娘の持ちものを一つや二つは体に着けて出ることにしていたが、お庄も叔母の帯などを締めて、いつもめかしこんで出て行った。