輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
それでその話は腰を折られて、笹村も笑って、奥へ引っ込んで行った。
夜笹村は、かんかんしたランプに向って、そのころ書き始めていた作物の一つに頭を集中しようとしていた。機械鍛冶の響きはもう罷んで、向うの酒屋でも店を閉めてしまった。この町のずッと奥の方に、近ごろ出来た石鹸工場の職工らしい酔漢が、呂律の怪しい咽喉で、唄を謳って通った。空車を挽いて帰る懈い音などもした。
K―は、茶の室でお銀たちを相手に、ちびちびいつまでも酒を飲み続けていた。しんみりしたような話し声が時々聞えるかと思うと、お銀の笑い声などが漏れて来た。甥は真中の六畳の隅の方で、もう深い眠りに沈んでいた。
夜になると、はっきりして来る笹村の頭は、痛いほど興奮していた。筆を執るには、目がちかちかし過ぎるほど、神経が冴えていた。
「酒というものは陽気でようござんすね。」客商売の家にいたりしたことのあるお銀が、先刻酒好きなK―に媚びるように言ったことなどが想い出された。
そういうお銀は、笹村の客が帰ったあとで、麦酒などの残りをコップに注いで時々飲んでいた。酒が顔へ出て来ると、締りのない膝を少し崩しかけて、猥らなような充血した目をして人を見た。