輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

十七

打ち明けてくれて僕も嬉しい。」

帰りがけに、B―はそう言ってまた一ト銚子階下へいいつけた。

幌を弾ねた笹村の腕車が、泥濘の深い町の入口を行き悩んでいた。空には暗く雨雲が垂れ下って、屋並みの低い町筋には、湯帰りの職人の姿などが見られた。

「今帰ったんですか。」

腕車と擦れ違いに声をかけたのは、青ッぽい双子の着物を着たお銀であった。

「どうでした。」

「医者へ行ったかね。」

「え、行きました。そしたら、やはりそうなんですって。」

腕車の上と下とで、こんな話が気忙しそうに取り交された。

笹村が腕車から降りると、お銀もやがて後から入って来て、火鉢の方へ集まった。

十七

「医者はどういうんだね。」

笹村は少し離れたような心持で、女に訊き出した。笹村はまずそれを確かめたかった。

「お医者はいきなり体を見ると、もう判ったようです。これが病気なものか、確かに妊娠だって笑っているんですもの。それに少し体に毒があるそうですよ。その薬をくれるそうですから……。」

「幾月だって……。」

「四月だそうです。」

「四月。厭になっちまうな。」

笹村は太息を吐いた。そしておそろしいような気持で、心のうちに二、三度月を繰って見た。