輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
「随分骨が折れましたね。」産婆はやっと坐って莨を吸った。
「このぐらい長くなりますと、産婆も体がたまりませんよ。私もちょッと考えたけれど、でも頭さえ出ればもうこっちのものですからね。」
「そんなだったですか。」と言うように笹村は産婆の顔を見ていた。
頭が出たきりで肩がつかえていた時、「それ、もう一つ……。」と産婆に声をかけられて、死力を出していた産婦の醜い努力が、思い出すとおかしいようであった。
「もっと自然に出るということに行かないもんですかね。」
「そんな人もありますよ。けど何しろこのぐらいの赤ちゃんが出るんですもの。」と産婆は笑った。笹村は当てつけられているような気がして、苦笑していた。
汚い聴診器で産婦の体を見てから、産後の心着きなどを話して引き揚げて行くと、部屋は一層静かになった。
母親は黙って、そこらを片着けていたが、笹村も風通しのいい窓に腰かけて、いつ回復するとも見えぬ眠りに陥ちている産婦の蒼い顔を眺めていたが、時々傍へ寄って赤子の顔を覗いて見た。
その日は産を気遣って尋ねてくれた医師と一緒に、笹村は次の室で酒など飲んで暮した。産婦は目がさめると、傍に寝かされた赤子の顔を眺めて淋しい笑顔を見せていたが、母親に扶けられて厠へ立って行く姿は、見違えるほど痩せてもいたし、更けてもいた。