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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
二十一
二十一
新吉は何だかむず痒いような気がした。どこか気味悪いようにも思った。
「そんなにキチキチされちゃかえって困るな。」と顔を顰めて言う。「商売が商売だから、どうせそう綺麗事に行きゃしない。」
「でも心持が悪いじゃありませんか。」と、お国は遠慮して手を着けなかったお作の針函や行李や、ほどきものなどを始末しながら、古い足袋、腰巻きなどを引っ張り出していた。「何だか埃々してるじゃありませんか、お正月が来るってのに、これじゃしようがないわ。私はまた、自分の損得にかかわらず、見るとうっちゃっておけないという性分だから……。もういつからかここが気にかかってしようがなかったの。」といろいろな雑物を一束にしてキチンと行李にしまい込んだ。
新吉は苦い顔をして引っ込む。
こういうような仕事が二日も三日も続いた。お国はちょいちょい外へ買物にも出た。〆飾りや根松を買って来たり、神棚に供えるコマコマした器などを買って来てくれた。帳場の側に八寸ばかりの紅白の鏡餅を据えて、それに鎌倉蝦魚や、御幣を飾ってくれたのもお国である。喰積みとかいうような物も一ト通り拵えてくれた。晦日の晩には、店頭に積み上げた菰冠りに弓張が点されて、幽暗い新開の町も、この界隈ばかりは明るかった。