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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

お増は、昨日浅井と一緒に出て買って来た、銘仙の反物を、そこへ出して見せた。

「これを私の袷羽織に仕立てたいんですがね。」

婆さんは反物を手に取りあげて、見ていた。そして糸を切って、尺を出して一緒に丈を量りなどした。

「どうでしょう柄は。」

お増は婆さんの機嫌を取るように訊ねた。

「じみでないかえ、ちっと。」

「私じみなものがいいんですよ。もうお婆さんですもの。」

お増は自分の世帯持ちのいいことに、自信あるらしく言った。

十二

浅井の細君が、ふとそこへ訪ねて来た。

「御免下さい。」

どこか硬いところのある声で、そういいながら格子戸を開けたその女の束髪姿を見ると、お増は立ちどころにそれと感づいた。細君は軟かい単衣もののうえに、帯などもぐしゃぐしゃな締め方をして、取り繕わない風であった。丈の高いのと、面長な顔の道具の大きいのとで、押出しが立派であったが、色沢がわるく淋しかった。

細君は格子戸を開けると、見通しになっている茶の間に坐った二人の顔を見比べたが、傘を持ったままもじもじしていた。

お増は横向きにうつむいていた。

「おやどなたかと思ったら、浅井さんの奥さんですかい。