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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

二十九

小僧連は、一様に軽蔑するような目容で出て行く姿を見送った。

お国は昼になっても、晩になっても帰らなかった。新吉は一日不快そうな顔をしていた。晩に一杯飲みながら、新吉は女の噂をし始めた。

「どうせ彼奴は帰って来る気遣いないんだから、明朝から皆で交り番こに飯をたくんだぞ。」

小僧はてんでに女の悪口を言い出した。内儀さん気取りでいたとか、お客分のつもりでいるのが小面憎いとか、あれはただの女じゃあるまいなどと言い出した。

新吉はただ苦笑いしていた。

二十九

二月の末――お作が流産をしたという報知があってからしばらく経って、新吉が見舞いに行った時には、お作はまだ蒼い顔をしていた。小鼻も目肉も落ちて、髪もいくらか抜けていた。腰蒲団など当てて、足がまだよろつくようであった。

胎児は綺麗な男の子であったとかいうことである。少し重い物――行李を棚から卸した時、手を伸ばしたのが悪かったか知らぬが、その中には別に重いというほどの物もなければ、棚がさほど高いというほどでもない。が何しろ身体が弱いところへ、今年は別して寒じが強いのと、今一つはお作が苦労性で、いろいろの取越し苦労をしたり、今の身の上を心細がったり、表町の宅のことが気にかかったり、それやこれやで、あまりに神経を使い過ぎたせいだろう……というのがいいわけのような愚痴のよう