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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

そのたんびに家のことを気にかけてあった。戸締りや火の元の用心、毎日の小遣いのことなどがきっと書いてあった。

「こんなくらいなら、湯治に行ったって効験がありゃしない。」と言って、叔父は笑っていたが、するうちに叔母は二十日もいないで帰って来た。

叔父は留守の間もよく家を明けた。時とすると五、六日も家へ寄り着かないことがあった。洲崎の女を落籍すとか、落籍して囲ってあるとかいう風評が、お庄らの耳へも伝わった。どっちにしても叔父が女に夢中になっていることだけは確かであった。母親がそっと小原に様子を訊いてみると、小賢しい小原はえへら笑いばかりしていて容易に話さなかった。

「どんな女でござんすかね。」母親は女のことをしきりに聞きたがった。

「なに、女はそれほどよかありませんよ。けどなかなか如才のない女です。まア手取りでしょう。小崎さんも大分お使いになったようです。」

叔母に隠して、叔父が無理算段をしては入れ揚げていることが、この男の話でも解った。叔父の持ち株で、近ごろ小原の手で、他へ譲り渡された口の幾個もあることも、その口から洩れた。そのなかで女の身に着くものも少くなかった。