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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
「そんなことがあるもんですか。少しぐらい体が弱っていたって、私が大丈夫うまく産ませておあげ申しますから……それにあなたは初産じゃないのですからね。年取ってからの初産は少し辛うございますよ。」
産婆は象牙に赭く脂の染み込んだ聴診器を鞄にしまい込むと、いろいろのお産の場合などを話して聴かせた。畸形や双児を無事に産ませた話や、自分で子宮出血を止めたという手柄話などが出た。
叔父は苦い顔をして、座敷の縁の方に新聞を見ていた。叔母が妊娠と解ってから、夫婦はまだ見ない子のことを、いろいろに考えていた。が、叔父は時々自分の年とその子の年とを繰って見たりなどした。
「もう晩い、私が五十七になってやっと二十だで。」
叔母はまた死んだ子の年など数えはじめた。
去年の夏よりも一層、叔母は冷たい物を欲しがった。氷や水菓子を、叔父に秘密でちょくちょくお庄に取りに走らせた。暑い日は、半病人のような体を、風通しのよい台所口へ這い出して来て、脛の脹んだ重い足を、冷たい板敷きの上へ投げ出さずにはいなかった。下の方も始終苦しそうであった。婦人科の若い医者が時々廻って来ては、その方の手当てをしていた。