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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
そんな物のなかから、蝕んだ古い錦絵が出たり、妙な読本が現われたりした。母親は叔母が嫁入り当時の結納の目録のような汚点だらけの紙などを拡げて眺めていた。
「お此さんも、こんなにして嫁入りしたこともあったにな。十年と一緒にいなかった。」
お庄は袋のなかから、こまこました叔母の細工物を取り出して見ていた。縮緬の小片で叔母が好奇に拵えた、蕃椒ほどの大きさの比翼の枕などがあった。それを見ても叔母の手頭の器用なことが解った。体の頑固な割りに、こうした女らしい優しい心をもっていたことが、荒く育ったお庄にもうらやましかった。叔母の側にくっついていて、もう少し何かの手業を教わっておくのだったとも考えた。
「叔母さんのすることは、少し厭味よ。」お庄は捻ねくっていた枕をまた袋の底へ押し込んだ。よく四畳半で端唄を謳っていた叔母の艶っぽいような声が想い出された。
「阿母さんもそんなものを持って来て。」
お庄も目録を取り上げて畳の上に拡げた。
「阿母さんだって、木曽へ行った時分はねえ。」と、母親は木曽の大百姓の家へ馬に乗って嫁に行ったことを想い出していた。
「あの家に辛抱しておりさえすれば、今になってまごつくようなことはなかったに。