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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
この女はもう二十六、七であった。縁づいていた田舎医師の家で不都合なことがあって、子供のあるなかを暇を出されてから、東京へ来て長い間まごついていたことを、お庄も中江などから聞いて知っていた。「お前のような女には手切れの金より着物の方が身について安全だろう。」と言って、その良人から拵えてもらった支度が亡くなった時分には、もういろいろの男を亭主に持って来たことを、女の口からもたびたび聞かされた。女はしみじみした調子で亭主運の悪いことをよく零した。行き詰って、田舎の医師の家へまた詫を入れに行ったとき、姑が頑張っていて、近所に取っていた宿から幾度逢いに行っても逢うことが出来なかった。女は夜更けてから梯子をさして、そっと二階の主の部屋の戸を敲いたが、やはり入ることが出来ずに、外から悪体を吐いて帰って来た。
「私あんなくやしかったことはありゃしませんよ。」と、女は目に涙をにじませて、自分と自分の興味に耽りながら話していた。
「まあ聞いて下さいよお庄ちゃん――。」と、女は今度の試験を、長く一緒にいる男がまた取り外してしまったことを零しはじめた。
「あんなに私が一生懸命になって、図書館に通わしてやっても、駄目なものはやはり駄目なんでしょうかね。