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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

「それでいて、私にはいろいろうまいことを言って聴かすんですの。」と、お庄は長く客商売をして来たお袋の自分に対する心持を話した。

「お前のような娘が一人あれば、こんな吝ったれな料理屋なんかしていやしないなんて、そんなことを言うんですよ。」

「ああいう人は、女さえ見れアじき金にしようと、そんなことばかり思っているで。」と、伯母は冷笑った。

母親と伯母のあいだには、また門閥の話が出た。田舎にいる父親が、まだ得心していなかったので、籍を送らずにおいたことが、かえって幸いであったようにも思えた。

「まア浅山ともよく相談して見るだい。片輪にでもされてから、何を言って見たって追っ着かない話だで。」伯母は心配そうに言った。

お庄は家のなくなった母親のことも気にかかった。どうせ針仕事もあるから、お庄さえ辛抱する気なら、母親に来ていてもらってもいいと言っていたお袋の言を憶い出したが、効性のない母親が、手も口も喧しい、あの人たちのなかにいられそうにも思えなかった。自分一人の体さえ、いつどうなるか解らないと思った。

「阿母さんこそ、田舎へ帰った方がよかったんですよ。」と、お庄はいじめるように言った。