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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
「君のこともちっとは悪く言うかも知れんから、それは承知していてくれたまえ。」友人は出るとき笹村に念を押した。
友人が帰って来るまでには、大分手間が取れた。笹村は寝転んだり起きたりして、心に落着きがなかった。そしてそれがいずれへ転んだ方が幸いなのか自身に判断がつかなかった。強いて判断しようとも思っていなかった。
「いろいろ逢って話をしてみたがね。」友人は笹村の部屋へ引き返して来ると、予期と反したような顔をして、低声で言った。
「あれは君、一緒になった方がかえっていいかも知れないね。」友人は息をついでから断れ断れに話し出した。
「君のあの女に対する態度から、あの女が今日まで君のために尽して来たことなどを聞くと、先方の言い分にも理窟があるよ。それにだんだん話してみると苦労もしているし、相当にわけも解っているようなんだ。本人の考えも、僕らの思惑とちっと違ったところもある。第一、乳を呑ましている赤ちゃんの顔を眺めて泣かれるには、僕も閉口したよ。」
一緒になる場合の条件などについて、二人はしばらく語り合った。
「ちょッと男をチャームするところのある女だ。」友人は呟いた。