輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

時としては薄暗い、せせこましい路次のあいだに、当てどもなしに彷徨いているその姿が見出されたり、どこへも入りそびれて、思いがけない場末に、人気の少い鶏屋などの二階の部屋の薄白い電燈の下で、淋しい晩飯にありついていたりした。それで懐が淋しくなって来ると、静かな郊外にある、兄の知合いの家に引っ込んで、刺戟に疲れた頭を休めたり、仕事に耽ったりした。

九州からの帰途、二度目に大阪を見舞った時には、二月も浸っていたそこのあくどい空気に堪えられないほど、飽き荒んだ笹村の頭は冷やされかけていた。そして静かに思索や創作に耽られるような住居を求めに、急いで東京へ帰った。

笹村は自分の陥ちて来たところが、このごろようやく解って来たような気がした。

「どこかへ行こうか。」

少し残った金を、机の抽斗に入れていた笹村は、船や汽車や温泉宿で独り旅の淋しかったことを想い出していた。

「それから道具を少し買わなけア。家みたいに何にもない世帯もちょっとめずらしいですよ。」

お銀は火鉢に寄りかかりながら部屋を見廻した。

「もし行くなら、一度坊やにお詣りをさせたいから成田さんへ連れて行って下さい。