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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
大きなもので酒を呷ったり、気の向かない時には、小っぴどく客を振り飛ばしなどした。二人とも、今少し年が若かったら、情死もしかねないほど心が爛れていた。傍で見ているお増などの目に凄いようなことが、時々あった。
そこを出るとき、お雪の身に着くものと言っては、何にもなかった。箪笥がまるで空になっていた。以前ついていた種のいい客が、一人も寄りつかなくなっていた。お雪は着のみ着のままで、男のところへ走ったのであった。
浅草のある劇場の裏手の方の、その家を初めて尋ねて行った時、青柳の何をして暮しているかが、お増にはちょっと解らなかった。
「良人はこのごろ妙なことをしているんだよ。」
お雪はお増を長火鉢の向うへ坐らせると、いきなり話しだした。見違えるほど血色に曇みが出来て、髪なども櫛巻きのままであった。丈の高い体には、襟のかかった唐桟柄の双子の袷を着ていた。お雪はもう三十に手の届く中年増であった。
「へえ、何しているの。」
などとお増は、そこへ土産物の最中の袋を出しながら、訊ねた。そこからは、芝居の木の音や、鳴物の音がよく聞えた。
「何だか当ててごらんなさい。」
「相場?」