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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

櫛だの半襟だの下駄などの好みにも、下町の堅気の家の神さんに見るような渋みが加わって来た。どこか稜ばったところのあった顔の輪郭すら、見違えるほど和らげられて来た。

「ほんとにお前さんは、憎いような身装をするよ。」

新調の着物などを着て訪ねて行くお増の帯や、襦袢の袖を引っ張って見ながら、お雪がうらやましそうに言った。

「今のうち、もっと派手なものを着た方がいいじゃないの。」

「ううん、派手なものは私に似合やしないの。それにそんなものは先へ寄って困るもの。」

浅井はそのころ、根岸の方の別邸へ引っ込んでいる元日本橋のかなり大きな羅紗問屋の家などへ出入りしていた。店を潰してしまったその商人は、才の利く浅井に財政の整理を委すことにしていた。浅井はほかにも、いろいろの仕事に手を染めはじめていた。会社の下拵えなどをして、資本家に権利を譲り渡すことなどに、優れた手際を見せていた。

お増を移らせる家を、浅井は往復の便を計って、すぐ自分の家の四、五丁先に見つけた。そこへ新しい箪笥が持ち込まれたり、洒落れた茶箪笥が据えられたりした。

「燈台下暗しというから、この方がかえっていいかも知れんよ。