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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

星廻りや相性のことなども弁じて、独りで呑み込んでいた。支度はもとよりあろうはずはないけれど、それでもよかれ悪しかれ、箪笥の一棹ぐらいは持って来るだろう。夜具も一組は持ち込むだろう。とにかく貰って見給え、同じ働くにも、どんなに張合いがあって面白いか。あの女なら請け合って桝新のお釜を興しますと、小汚い歯齦に泡を溜めて説き勧めた。

新吉は帳場格子の前のところに腰かけて、何やらもの足りなそうな顔をして聴いていたが、「じゃ貰おうかね。」と首を傾げながら低声に言った。

「だが、来て見て、びっくりするだろうな。何ぼ何でも、まさかこんな乱暴な宅だとは思うまい。けど、まあいいや、君に任しておくとしましょう。逃げ出されたら逃げ出された時のことだ。」

「そんなもんじゃありませんよ。物は試し、まあ貰って御覧なさい。」

和泉屋はほくほくもので帰って行った。

それから七日ばかり経ったある晩、新吉の宅には、いろいろの人が多勢集まった。前の朋輩が二人、小野という例の友達が一人――これはことに朝から詰めかけて、部屋の装飾や、今夜の料理の指揮などしてくれた。障子を張り替えたり、どこからか安い懸け物を買って来てくれなどした。