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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

引き受けた以上は、己にも責任がある。」

浅井のそういう反対説に、そんな話もやはり成り立たずにしまった。

浅井が田舎へ立ってから、お増は思いついて室をも一緒につれて、三人で浅草辺をぶらついたり、飯を食べたりして、お今を男に昵ませようと試みた。

「今でもやっぱりあなたは、あの人のことを思っていて。」

お増は、お今のいないおりに、そっと室に訊いてみたが、この男に秘密を打ち明けないでいることが、空おそろしいようであった。

「なぜです。」

室はそう言いたげに、にやりと笑っていた。

「あの人にも困ったもんですよ。」

お増は口まで出そうにするその秘密を、やはり引っ込めておかないわけに行かなかった。

「一度あなたから、よく訊いてみて頂戴よ。」

そこへ小用に行ったお今が、入って来た。三人はある小奇麗な鳥料理の奥まった小室で、ビールやサイダなどを取りながら話していた。廊下の手欄に垂れた簾の外には、綺麗に造られた庭の泉水に、涼しげな水が噴き出していたり、大きな緋鯉が泳いでいたりした。碧い水の面には、もう日影が薄らいでいた。湯に入って汗を流して来た三人の顔には、青い庭木の影が映っていた。