Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Read 丹下左膳 (たんげさぜん) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,861 characters · 480 screens

Aozora Bunko

三

「うるさいねえ」

というのがお蓮様の一点張り。

「いったいいかがなされるおつもりで。斬り捨てることはできず、さりとて、このまま傍若無人に――」

「フン、源三郎様に刀を向けたりすると、このあたしが承知しませんよ」

ふとお蓮さまは、思わずほんとの心が口に出たのに、自らおどろいたようすで、とっさに笑い消し、

「むかったって、かないっこないくせに――ほほほほ、まあ、あわてないで、あたしにまかせてお置きよ」

源三郎という名を口にする時の、お蓮様のうっとりした顔つきに、峰丹波は心配そうに、

「拙者らの手に負えぬ者を、あなたがいったい、どうなさろうというので――」

「うるさいねえ。男と女の間は、男と男のあいだとは、また違ったものさね。それにどうやら、あの源三郎は、このあたしなら、なんとかあやつれそうだからね。うるさいね。だまって見ておいでよ」

すんなりしたお蓮様の姿が、もう、築山をまわって歩き出していた。

三

「お嬢様、あの、萩乃様……」

侍女の声に、萩乃は、むすめ島田の重い首を、突っぷしていた経机からあげて、

「何よ、うるさいねえ」

「いえ、お嬢さま、毎度同じことをお耳に入れて恐れ入りますけれど、そうやって毎日とじこもって、ふさぎこんでばかりいらしっては、いまにお身体にさわりはしないかとお次の者一同、こんなに御心配申しあげているので