Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Read 丹下左膳 (たんげさぜん) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,861 characters · 480 screens

Aozora Bunko

なかには。

道場のこっちはしに寝たはずのが、夜っぴて旅行をして、朝向う側で眼をさます。などという念のいったのもある。

血気さかんの連中が、合宿しているのだから、その寝相のわるいことといったらお話になりません。

重爆撃機の編隊が押しよせてきたような、いびきの嵐です。

歯ぎしりをかむもの、何やら大声に寝ごとをいう者。

発願奇特帳の総決算を終わった田丸主水正は、こけ猿のことを思うと、いても立ってもいられなかった。

朝になるのを待てずに。

今。

庭つづきのこの尚兵館へ現われて、ああ呶号したのだったが、誰一人起きる気配もないので。

主水正は、また一段と声を高め、

「おのおの方ッ、こけ猿の所在がわかり申したぞっ!」

武士は轡の音で眼をさますというが、伊賀侍は、こけ猿というひとことで、みないっせいにガバッと起きあがった。

「こけ猿が? どこに? どこに?――」

「われわれがこんなに血眼で捜索しても、とんと行方の知れぬこけ猿が、ど、どうしてこの真夜中――?」

はるか向うの一段高いところに、静かに床をはねてすわりなおしたのはこの一団の長、高大之進です。柳生一刀流の使い手では、一に藩主対馬守、二に伊賀の暴れん坊こと源三郎、三、安積玄心斎、四に高大之進といわれた、その人であります。