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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Read 丹下左膳 (たんげさぜん) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,861 characters · 480 screens

Aozora Bunko

客人大権現に近く……。

司馬寮の焼け跡にころがるように行きついた一同。

「アッ! またあの、隻眼隻腕の侍が!」

と、誰かが指さす方を見やると。

奥座敷だったとおぼしいあたりに、大小二つの人影が、ヌッと並び立っている。

駕籠をおりたった高大之進は、部下をしたがえて左膳へ近づきながら、ニヤニヤして、

「よく逢うな、貴公とは……いつぞや、あの駒形のなんとかいう女芸人の家で、その子供の生命とひきかえに、にせの壺のふたをあけて以来――」

「ウム、ひさしぶりだ」

あのときの斬りあいで、丹下左膳の腕前は十分に知っているから、高大之進もゆだんをしない。うちつづく同勢へ、チラチラと警戒の眼を投げながら、

「シテ、貴公がどうしてここへ?」

「源三郎に会いに来たのだ」

「その源三郎様は焼死なされたと聞いて、われらかくあわてて推参いたしたわけだが」

「死んだ源三郎にしろ、生きている源三郎にしろ、伊賀の源三に会わねえうちは、おれは一歩もここをどかねえつもりだ」

チョビ安は左膳のうしろにせまり帯につかまって、とりまく伊賀の連中を、かわいい眼でにらみまわしている。

高大之進はつめよるように、