Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Read 親鸞 (しんらん) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 566,138 characters · 1127 screens

Aozora Bunko

奉行の伊賀判官末貞は、

「名を申せ、寺籍をいえっ」と、彼を責めた。僧侶は、大地に坐り直し、

「おれは、鹿ヶ谷の住蓮だ、おれの念仏を停めてみい」といって、それから牢へ打ちこまれても、念仏を唱えていた。

「げっ、住蓮?」捕えてから驚いたことである、奉行は、もろもろへ達して、彼の顔を見知っている者を求めた。その結果、誰のことばも、

「住蓮にちがいございませぬ」と、証明した。

意外な獲物に、奉行の屯は、凱歌をあげた。一方の安楽房もすでに獄舎にいるので、断獄は、即日に決まった。

――不明なのは、依然として、松虫の局と鈴虫の局の行方であったが、そのうち、師走も暮れ、新春の松の内も過ぎたので、いよいよこの二人から先に処刑することになった。

――承元の元年、二月の初旬。

六条河原の小石は、まだ氷が張っていた。暖かい日だったので、加茂の水は雪解ににごっていた。

近衛牢から曳きだされた住蓮と安楽房のふたりは、矢来のそばの杭につながれていたが、やがて時刻が来ると、官の命によって刑刀をうけた獄吏たちの手で、仮借なく、刑場の中央にひき出されて、氷石の座に、筵も敷かず据えられた。