Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

四

権叔父は、元の道を、もう大股に先へ戻っていた。茶屋の亭主を追いやって、お杉も後から急いでゆく。

――たしかにお通!

ふたりの呼吸は荒くなっていた。

四

大雨に打たれて冷えこんだあの晩からの風邪熱なのである。

峠で武蔵と別れるまでは、それも忘れていたが、彼と袂を分って歩きだしてから間もなく、お通は、体じゅうが痛懶くなって、この三日月茶屋の奥に臥床を借りて横たわるまでの辛さは一通りではなかった。

「……おじさん……おじさん……」

水がほしいのであろう、囈言のように洩らしている。

店をしめると、亭主は、医者を迎えに出て行ったのだ。たった今、彼女の枕元をのぞいて、帰って来るまで辛抱しておいで――といったのを、お通は、もう忘れているほどな高熱らしい。

口が渇く。茨のトゲを頬ばっているように、熱が舌を刺す。

「……水をくださいな、おじさん……」

遂に、起き出して、お通は、流し元のほうへ首をのばした。

水桶の側まで、やっと這い寄った。そして竹柄杓へ手をかけた時である。

ガタと、何処かで、戸が仆れた。元より戸閉まりなどはない山小屋である。三日月坂から引っ返して来たばばと権六は、そこからのそのそ入って来て、