Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

光明蔵

一

沢庵のいった言葉のきれぎれが、疾風のように駈けてゆく武蔵の頭の中を、同じ速度で駈けめぐっていた。

光明蔵

一

そこは、姫路の城下端れ。

花田橋の下で、また、或る日は橋の上あたりで、彼は、お通の来るのを待っていた。

「どうしたのだろう?」

お通は、見えない。――約束をして別れた日からもう七日目だ。ここで百日でも千日でも待っているといったお通なのに。

かりそめにも、約束の言葉をつがえた以上は、それを捨てて忘れてゆく気もちにはなれない武蔵であった。武蔵は、待ちしびれた。

かたがた、彼には、この姫路へ移されて来たという姉のお吟が、どこに幽閉されているか、それを探るのも、目的のひとつであった。花田橋の畔に、彼のすがたがない時は、城下町のここかしこを、菰をかぶって、物乞いのように彷徨っている日だった。

「やあ、出会うた」

突然、彼へ向って、駈け寄って来た僧がある。

「武蔵」

「あっ」

顔も姿も変えて、誰にもこれなら知れまいとしていた武蔵は、そう呼ばれてびっくりした。

「さあ、来い」

手首をつかんだその僧は、沢庵であった。ぐいぐいと引っ張って、

「世話をやかせずと、早く来い」