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Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

といいつけた。

酔っているものや、影絵のようなぞめきの人々と、灯を縫うてひとりは編笠茶屋へ走ってゆく。

その笠が来ると、

「こうかむれば、誰にも、わしとはわかるまいが」

清十郎は、顔をかくして、やや大びらに歩みだした。

藤次は、うしろから、

「これはまた伊達者に見える。若先生、いちだんと風流姿でございますぞ」

すると、他のものまで、

「あれ、妓たちが皆、暖簾口から見ているわ」

などと、幇間をたたいた。

しかし、門下達のことばは、あながちそら世辞ではなかった。清十郎は背が高くて、帯びている大小は綺羅びやかだし、年は三十前後の男の花の頃だし、名家の子として恥かしくない気品も実際あった。

で――軒から軒の浅黄暖簾や、紅ン殻色の出格子のうちから、

「そこへ行く、美い男さま」

「おすましの編笠さん」

「ちょっとお寄りなさいませ」

「笠のうち、一目、見せて」

と、籠の鳥が、囀り抜く。

清十郎は、よけいにとり澄ました。弟子の祇園藤次にそそのかされて、遊里に足を入れはじめたのも近頃であるが、元来が父に吉岡拳法という有名な人物を持ち、幼少から金の不自由も知らず、世間の底も知らず、まったく、坊ンち育ちに出来ているので、多分に、見栄坊なところがある。