Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
※(ローマ数字1、1-13-21) 思い出草
思い出草
赤蜻蛉
※(ローマ数字1、1-13-21) 思い出草
思い出草
赤蜻蛉
私は麹町元園町一丁目に約三十年も住んでいる。その間に二、三度転宅したが、それは単に番地の変更にとどまって、とにかくに元園町という土地を離れたことはない。このごろ秋晴れの朝、巷に立って見渡すと、この町も昔とはずいぶん変ったものである。懐旧の感がむらむらと湧く。
江戸時代に元園町という町はなかった。このあたりは徳川幕府の調練場となり、維新後は桑茶栽付所となり、さらに拓かれて町となった。昔は薬園であったので、町名を元園町という。明治八年、父が初めてここに家を建てた時には、百坪の借地料が一円であったそうだ。
わたしが幼い頃の元園町は家並がまだ整わず、到るところに草原があって、蛇が出る、狐が出る、兎が出る、私の家のまわりにも秋の草が一面に咲き乱れていて、姉と一緒に笊を持って花を摘みに行ったことを微かに記憶している。その草叢の中には、ところどころに小さい池や溝川のようなものもあって、釣りなどをしている人も見えた。
蟹や蜻蛉もたくさんにいた。蝙蝠の飛ぶのもしばしば見た。夏の夕暮れには、子供が草鞋を提げて「蝙蝠来い」