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Japanische Klassiker mit Furigana

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

震災の記

我田引水と云われるのを承知の上で、私はここに人形趣味を大いに鼓吹するのであります。(大正9・10「新家庭」)

この稿をかいたのは、足かけ四年の昔で、それら幾百の人形は大正十二年九月一日をなごりに私と長い別れを告げてしまった。かれらは焼けて砕けて、もとの土に帰ったのである。九月八日、焼け跡の灰かきに行った人たちが、わずかに五つ六つの焦げた人形を掘り出して来てくれた。

わびしさや袖の焦げたる秋の雛

(『十番随筆』所収)

震災の記

なんだか頭がまだほんとうに落着かないので、まとまったことは書けそうもない。

去年七十七歳で死んだわたしの母は、十歳の年に日本橋で安政の大地震に出逢ったそうで、子供の時からたびたびそのおそろしい昔話を聴かされた。それが幼い頭にしみ込んだせいか、わたしは今でも人一倍の地震ぎらいで、地震と風、この二つを最も恐れている。風の強く吹く日には仕事が出来ない。少し強い地震があると、又そのあとにゆり返しが来はしないかという予覚におびやかされて、やはりどうも落着いていられない。

わたしが今まで経験したなかで、最も強い地震としていつまでも記憶に残っているのは、明治二十七年六月二十日の強震である。