Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
薬前薬後
草花と果物
その住みにくいのを忍ぶとすれば、郊外か市内か、おのおのその好むところに従えばよいのである。(大正14・4「読売新聞」)
薬前薬後
草花と果物
盂蘭盆の迎い火を焚くという七月十三日のゆう方に、わたしは突然に強い差込みに襲われて仆れた。急性の胃痙攣である。医師の応急手当てで痙攣の苦痛は比較的に早く救われたが、元来胃腸を害しているというので、それから引きつづいて薬を飲む、粥を啜る、おなじような養生法を半月以上も繰り返して、八月の一日からともかくも病床をぬけ出すことになった。病人によい時季と云うのもあるまいが、暑中の病人は一層難儀である。わたしはかなりに疲労してしまった。今でも机にむかって、まだ本当に物を書くほどの気力がない。
病臥中、はじめの一週間ほどは努めて安静を守っていたが、日がだんだんに経つにつれて、気分のよい日の朝晩には縁側へ出て小さい庭をながめることもある。わたしが現在住んでいるのは半蔵門に近いバラック建の二階家で、家も小さいが庭は更に小さく、わずかに八坪余りのところへ一面に草花を栽えている。
若い書生が勤勉に手入れをしてくれるので、わたしの病臥中にも花壇はちっとも狼藉たる姿をみせていない。